こんな公務員もいるよ

公務員って大変だけど面白いですよ

【やりがい搾取?魅力なし?】公務員の仕事

みなさま、おつかれさまです。
花粉が猛威を振るっていますが、公務員を目指して試験勉強をされているみなさまは「そろそろ志望動機も考えなきゃ!」となる時期でしょうか。

今日は地方公務員の私から見た「公務員の仕事」のイメージを本音で、綺麗ごとなしでお伝えします。「他の受験者と少し違った志望動機にしたい」という方には参考になるかもしれません。合格の保証はできませんのであしからず。

お伝えしたいこと

・公務員の仕事は「誰もやりたがらないことをやる」仕事
・でも実は夢のある仕事
・公務員叩きは気にするな!思いっきり人のために働いて、思いっきり自分のために生きよう!

 

公務員の仕事は「誰もやりたがらないことをやる」仕事

いきなりこき下ろしますが、公務員の仕事は、ずばり「誰もやりたがらないことをやる」仕事です。
税金取り立てたいですか?道路管理やりたいですか?選挙の運営やりたいですか?
「法律で公務員がやるって決められてるじゃん」と言ってしまえばそれまでなので、こんな風に考えてはどうでしょうか。

これらの仕事は利益を生みません。だから民間企業が手を付けないんです。でも誰かがやらないと法律とか制度といった社会のルールが守られないですよね。だから役所がやります。公務員とはそういう社会装置だと思っています。

利益を生まない、金にならないけどやらなきゃいけないこと。ざっくり次のようなことがなどあります。
・国民生活のセーフティネット
 生活保護が分かりやすいですね。資本主義においてはお金に困る人が必ず出てきます。誰もが生きていけるようにする仕組みづくりができるのは公務員ならではです。
大きく話題になることは少ないですが、公営住宅生活保護に並ぶ一大セーフティネットだと思います。高齢化が急速に進む日本において、生活費と住まいの問題を一度に解決できる公営住宅は、もっとスポットライトが当たっても良いと思います。

・小難しい法律や制度を分かりやすく伝えて運用する
 公務員の仕事は基本的にすべて法律などの根拠があります。(啓発事業のように担当者のセンスに委ねられるものもありますが)
 法律を定めただけでことが進むことはなく、それを粛々と運用する必要があります。公務員は文字だけの法律を形にするのも仕事です。例えば住民票ですね。住民票の記載事項は住民基本台帳法の第7条において14項目定められています。これを1枚にしたのが住民票です。これだけの情報が1枚にまとめられていることは、何気にありがたいことかもしれません。
 また、法律などが改正されればそれに合わせて運用を変えますし、運用が変わることを国民にお知らせします。好き好んで法律の改正を追っている人はそんなに多くないですからね。国が発する誰も見ないような、それでいて大事な情報を整理して手元に届ける、つまり公務員はインフルエンサーなんです。(違うか)

普及啓発
 健康増進とかハラスメント防止なんかはよく目にしますね。これは民間企業と連携することでより効果を発揮すると思います。その意味では、仕事が役所内にとどまらず民間企業と一緒に進める(主体は役所で民間企業は協賛とか)ので、公務員の中では楽しい部類の仕事かもしれません。(主観です)
 大手メディアが報じないような、でも地味に大事な情報を国民にお知らせする仕事です。それゆえちゃんとした根拠が求められるので、役所ではよく専門家を招いて会議を開き、そこでの議論を踏まえて情報を出していると思います。課題としては、会議が形骸化したり、他の業務の片手間で遅々として進まないことがままあることです。自戒も込めますが、社会人なら、会議や打ち合わせなど、人を招いての議論はコスパを意識して緊張感を持ちながら臨みましょう。

いかがですか?大手民間企業の採用パンフレットと見比べると、華々しくて楽しそうとはあまり思えないですよね。

でも実は夢のある仕事

地味でつまらない仕事、公務員というとほとんどの方がこのようなイメージを抱くと思います。実際そうなんですが、言ってしまえばこの点は民間企業も変わりません
一見華々しく見える仕事も、地味でつまらない仕事の積み重ねの上にあるもので、公務員を含め、どんな企業の華々しく見える採用パンフレットもその上澄みをすくって見せているにすぎません。
「でも公務員の仕事は地味でつまらない、で終始してるじゃん」と思うかもしれませんがそんなことありません。公務員の仕事にだって夢があります。魅力があります。

極論ですが、公務員の仕事でも、民間企業ができるなら民間企業がやるべきだと思います。経済の観点から。もちろん民営化がすべて正しいとは思いませんが。
財源=税金は有限なので、行政は小さいに越したことはないです。ただ少子高齢化が進む日本では行政の役割が大きくなりがちです。浮足立った自己満イベント事業とか、首長の個人的好みが反映された色物事業に予算を使うくらいなら、インフラ整備や福祉、教育など地に足付けた政策にもっと予算を使うべきだと思っています。(議論の余地あり)
これらの公務員ならではの仕事の成果は、私たちの子供の世代、あるいは孫の世代まで続きうるものです。
想像してみてください。あらゆるモノが数年で消費され忘れ去られるこの世の中で、自分が担当した政策が今後数十年に渡って国民の役に立っている光景を。ロマンがありますね。
私自身、日々のつまらない仕事の連続に辟易することも多いですが、そんなときは将来の光景を思い浮かべて頑張っています。

長い目で物事を見据えられるあなた、ロマンチストのあなた、夢見がちなあなた、そんなあなたこそ公務員に向いていると思いますよ。

公務員叩きは気にするな!

最後に、すべての公務員と公務員を目指す方へのメッセージですが、公務員叩きは気にすることないです。税金泥棒?言わせとけばいいです。あなたの仕事は利益を生まないかもしれません。でも価値はあります。国民が払った税金以上の仕事をすればよいのです。目の前の仕事に集中しましょう。

利益度外視で人のために働くって、実はとっっっても難しいことです。それが公務員ならできます。ありがたいことです。なのでコスパは民間企業以上に意識しましょう。
恵まれた福利厚生にあぐらをかいてだらだら仕事して、「税金泥棒」なんていらぬクレームをもらう暇なんて公務員にはないんですよ!ちゃんとやるべき仕事をしてお給料をいただいて、疲れたら長期でお休みしたっていい!(これは公務員に限らないですが

なので、人のために思いっきり働いて、思いっきり自分の人生を豊かに生きてください!それがゆくゆくはたくさんの人の人生を豊かにすると思いますよ。胸張って公務員やりましょ。

【ブラック?ホワイト?】地方公務員のざっくり実録 残業ランキング👑

みなさま、おつかれさまです!
今日は私の経験に基づく「ざっくり実録 残業ランキング」です。
この記事が、公務員を目指すみなさまが等身大の公務員を知る一助になれば嬉しいです。また現役公務員のみなさまには、綺麗ごと言ってんなーと鼻で笑っていただければもう十分です。

お伝えしたいこと
  • 公務員の残業実態の一例
  • 当たり前だけど残業はしない方がいい。税金だもの
  • 残業するなら自分自身のコスパを意識!
  • 残業削減は組織ぐるみで

公務員って定時で帰れるんでしょ?残業多いの?と、公務員を目指す方でもよく分からない方が多いと思います。こんなやつもいますよ、ということで私が経験した4つの部署における残業時間をランキング形式でご紹介します。各部署の個人的ブラック度(残業時間+業務の大変さ)も載せていますのでご参考までに。

それではどうぞ。

第4位 医療関係(個人的ブラック度☆☆☆☆ ➡ ☆☆☆)

一番残業時間が少なかったのは医療関係の部署です。啓発イベントを予算0円でやれと言われたり、新規事業の企画立案を担当しました。上司が恐すぎて起立性障害とか強迫性障害っぽくなったりと最初の1年は地獄でしたが、段々信頼関係を築けたので(奇跡!)後半は楽しく働けました。図太いですね。

月残業時間は繁忙期で70時間閑散期で10時間。医療問題はいつもホットで、医療関係全体がブラック度☆☆☆☆くらい、私がいた部署はブラック度☆☆☆☆☆くらい忙しい(一時期はあの財政課より残業が多かったらしい)のですが、担当事務が恵まれていたため繁忙期でも他の人と比べると比較的早く帰ることができていました。日付をまたぐことはなかったと思います。休日出勤はしていましたが。
閑散期は定時で帰ることもそれなりにあって、まあまあ充実したプライベートを送ることができていました。

残業代は70時間に対して30~40時間くらいでした。
この時は、周りの超優秀な人たちが私以上に残業していました。予算にも限りがある中で残業代の調整が行われるのは仕方ないですし、ある意味健全だったと思います。
周りの人に刺激され、この部署で働くうち、残業代云々の前にもっと仕事ができるようになりたいなーと思うようになりました。そうしたら残業代も気兼ねなくもらえますからね。

 

第3位 住宅関係(個人的ブラック度☆☆ ➡ ☆☆☆☆☆)

続いて住宅関係の部署です。住民トラブルやクレームの相談対応、家賃徴収など担当しました。住宅関係の他部署の方もそれなりに残業していて、今にして思えば住宅関係は隠れブラックだと思います。新人時代は比較的早く帰れていましたが、頼れる先輩が異動してからが大変でした。

月残業時間は繁忙期で100時間閑散期で15時間。時間外にならないとできない作業のために強制残業があったり、電話対応で日中何もできず、埋め合わせを休日出勤でしていたのでそこそこ忙しかったですね。

もらえた残業代は100時間に対して50時間くらいだったと思います。当時は働き方改革以前だったので、これだけもらえればかなり良い方だったと思います。
残業が多いのはもちろん辛かったですが、それ以上に上司の理解がないパワハラ気味でした)、一人だけ深夜まで残っている、という状況が私の中でブラック具合に拍車をかけていましたね。ただこの経験があったからこそ、周りへのフォロー、引継ぎをしっかりする、といった意識が身につきました
公務員の仕事は誰が担当しても同じ結果を出せるような再現性の担保が大事です。なので引継ぎ大事。ちなみに、最近はパワハラ系職員が鳴りを潜めています。良い時代です。

 

第2位 選挙関係(個人的ブラック度☆☆☆☆)

第2位は選挙関係の部署です。公務員の負の側面をすべて詰め込んだ部署です。絶対前例踏襲、昭和から変わらない仕事のしかた、紙至上主義、形式だけで意味のない会議と打合せ、それを変える気がない風土、頻繁な窓口対応&電話対応、それゆえテレワークは夢のまた夢、加えて選挙前の大量のクレーム、、、効率なんて言葉はここでは存在しません。ただ人は良かった。優しい。優秀。コミュ力高し。奇跡か?
選挙事務は役所仕事の「基本の基」が詰め込まれています。一方でスケジュールに役所らしさは微塵もなく、職員一人一人が大量の事務を短期間で「ミスなく」処理することが求められます。どう考えてもミスが出るスケジュールです。
特に解散がある衆議院選挙は準備期間が短くなりがちで、解散総選挙のたびに自治体の選挙関係職員が寿命を削っていると思います。しかも運用が複雑極まりない公職選挙法を相手にしなければならず、その点では業務の難易度もそれなりに高いと思います。
公務員のブラック部署といえば財政課と人事課が有名ですが、「選挙関係は瞬間最大風速で財政課より忙しい」と、財政課出身の職員から証言を得ています。

月残業時間は繁忙期で200時間閑散期で20時間。第3位の2倍!これでも課の中では少ない方でした。別件でお会いした某市の職員は270時間の月があったと言っていました。本当にお疲れ様です。

残業代は衆議院選挙の対応のみすべて支払われました参議院選挙や地方統一選挙のときの残業代は月45時間までという天井が設定されました。当然突き抜けます。休日出勤含め平均で60時間から70時間、人によっては100時間といったところでしょうか。
選挙は公費負担があるので金がかかります。人件費くらい節約させてくださいよ。

 

第1位 公益財団法人(個人的ブラック度☆☆ ➡ ☆☆☆☆☆)

栄えない第1位は、希望もしていないのにいきなり出向を命じられた半官半民の外部団体です。都道府県庁じゃなくてすみません。
出向先は某イベントの事務局を担う団体で、そこでは数百人が宿泊するホテルの敷地外警備の計画とか、バスやらタクシーの手配やらを担当しました。公務員って何でも屋ですね。
人によっては天国のような出向先もあるようですが、私の場合はイベントが近づくにつれ忙しさを増し、繁忙期の2か月間は毎日睡眠時間3~4時間、起きている時間はほぼ走り回っていました。2か月間でちゃんと休んだのは3日くらいだったと思います。

月残業時間は繁忙期で300時間over閑散期で20時間。落差がすごい。ここまでくるとずっと働いている繁忙期の方が元気で、閑散期になった瞬間に体調を崩しました。300時間に慣れるんだから人間ってどんな環境にも適応しうるんですね。

残業代はほぼすべて支払われました働き方改革万歳。
恐ろしいのは私以上に残業している人が大量にいたことです。みんな寝てたのか?
この年のトータル残業時間は900時間くらいでしょうか。健康を犠牲にして何年も先の年収を得る様は、さながらハンターハンターのゴンのようです。

数字だけ見ると超ブラックですが、現場の裁量が大きかったためメンタルは無事でした。逆に、選挙関係のように裁量が少ないと残業時間が少なくてもメンタルがやられました。公務員はメンタル疾患を抱える方が多い印象ですが、改善ポイントの1つは裁量にあるのでは?

 

以上です!いかがでしたか。
そこそこ残業している私が言うのもなんですが、残業はしないに越したことはありません。公務員の給料は税金から支払われていますからね。

とはいえやはり必要な残業もあります。そんなときはコスパを意識するようにしています。私の残業代は1時間1,915円です。これに対して「2時間残業して数千万の補助金関係の資料を作るぞ」とか、「1時間残業して高齢者医療に関する新規事業の説明資料を作るぞ」とか、そんな感じです。
3,830円で数千万が動くかも、1,915円で100万人の高齢者を助けられるかも、と考えるとものすごい良コスパですよね。もちろん私以外にもたくさんの公務員が動いているのでそんな単純ではないですが。

残業を減らす努力は個々人がすべきですが、組織としても取り組まなければ実現できません。「この仕事ムダなのでやめません?」「この仕事のやり方変えませんか?」何度訴えてきたでしょうか。法改正や制度改正のたびに公務員の仕事は増えていく一方です。ビルド&ビルドです。課長!仕事もビルド&スクラップしましょうよ!

 

人員配置・人事異動の謎

公務員を目指しているみなさま、こんにちは!
今日は地方公務員に一生ついてまわる人事異動についてです。
部署が変わることに対して理想を抱きすぎず、かといって落胆しすぎず、等身大で公務員生活を送れたらよいですよね。

 

ざっくり目次

  • 私の異動実録
  • 結論:希望は通らない
  • 異動とどう付き合っていくか

私の異動実録

さて、大学では普通って何じゃ?とかしょうもないことを考えていた私ですが、仕事は子供の未来を良くすることをやりたい、なんて漠然と考えていました。

なんとなく、本当になんとなーく「教員じゃなくて教育委員会だな」と思い、採用面接では教育分野に携わりたいと伝えました。(入庁してから知りましたが、教育委員会はブラックなようで。行かなくてよかったーと思っていたら後に選挙管理委員会に飛ばされました。とんだブラック部署ですよ選管は。ブラック部署については別の機会に話しますね。)

 

いざ採用されてみれば住宅関係の部署。はて、宅建持ってませんけど。
耐えがたきを耐え初めての異動。え、医療関係部署ですか。私、文系学部ですけど。
忍びがたきを忍び2回目の異動。え、公益財団法人に出向ですか。私、上司に詰められた翌日11時に起きて大遅刻かましポンコツですけど外に出して大丈夫ですか?

 

このように公務員は異業種に転職を繰り返すレベルで違う分野に異動することがあります。私の場合、担当した業務も違う性質のものばかりだったので本当に転職したようでした。
え、スキルが身に付かない?これは考え方次第なのです。この点、公務員も公務員以外も誤解していると思うので、いずれまとめますね。

 

結論:希望は通らない

結論、希望の部署には行けないと思った方がよいです。毎年希望の部署を出しますが、まったく関係ない部署に飛ばされています。結局、教育委員会にも配属されてないですし。(ブラックらしいし、今では他にやりたいことがあるので配属されなくて結果オーライ)

 

というか人事課さん、異動先と適正があるか見てないですよね?
そうです。見てないんです。見れるわけないんです。見てるのは残業耐性くらいでしょ。

 

異動とどう付き合っていくか

じゃあもう異動を楽しむしかないですよね。
それぞれの部署で身に着けたスキルを武器に、私の場合は異動した先々で出会う人との関わりを楽しんでいます。

医者と対等に医療システムの話をする熱いベテラン職員、
どれだけ上司から詰められても絶対へこまない超ポジティブな年上の後輩、
気弱だけど仏のように優しい先輩、
バチクソ恐いけど仕事を押し進めてくれる上司、
全国を非常勤で飛び回るヒッピー看護師、
昔絶対やんちゃしてたろって警備会社の社長、

公務員に限らず、たくさんの尊敬できる現場のプロにも出会えて、公務員を外から見たことで公務員の面白さに気づくことができました。半強制人事異動という仕組みのおかげですね。

こんなに振り回されてもなんだかんだ楽しんでいる自分を見ると、実は人事ってちゃんと適正を見ている?なんて思ってしまいますね。真相は謎です。

人事課を経験されたことがある方、人事課の秘密教えてくださーい。

このブログについて

公務員に対する誤解をなくしたい!

 

これから公務員を目指すみなさま、転職エージェントのみなさま、民間のみなさま。
意外とやるもんですよ公務員も。そうですよね、現役公務員のみなさま。

 

でもやっぱりイメージ通りのところもありますよ。

 

公務員のリアルを知ってほしいので、一地方公務員が思うことを書いていきます。

 

公務員は9時5時で残業なし、スキルが身に付かない、転職のつぶしがきかない、
んなもん入ってみないと分からないですよ!やっぱりどこに就職しても運と努力!それはどこも同じでしょう。

 

恵まれた環境(福利厚生)で働ける公務員だからこそ、ハツラツと働いて、時には休んで、世の中を元気にする社会装置になれたらいいですよね。

 

※副業目的ではありません。